入居初日の水まわりチェックリスト|7か所と記録の残し方

「このシミ、うちが借りてから付いたんですか」。退去立会いで管理会社にそう聞かれた瞬間、答えられなかった。入居時に写真を撮っていなかったからだ。洗面台下のパテの剥がれも、トイレのタンクの結露跡も、いつからあったのか誰も証明できない。結局、原状回復費の一部を負担することになった。この話は珍しくない。入居初日にたった15分、7か所を見て記録するだけで防げたトラブルだ。あなたが今日か明日、鍵を受け取るなら、この記事を読んでから荷物を運び込んでほしい。
・入居当日に見るべきは7か所、荷物を置く前が勝負
・写真は日付が分かる状態で、水を出した状態としていない状態の両方を撮る
・不具合は「気づいた日」ではなく「入居日」に報告しないと自己負担になりやすい
・自分で直せない不具合は無理に触らず、管理会社かLifecare24(050-1725-0822)へ
引っ越し当日、荷物より先にやるべきこと
段ボールが積まれた部屋に入ると、多くの人はまず荷物を運び込む。だがそれをやった瞬間、床や壁の状態を確認する機会は失われる。家具を置いた場所の下に何があったか、あとから確認する術がなくなるからだ。
あなたに伝えたいのは、鍵を受け取ったその日、荷物を部屋に入れる前の15分から30分を水まわりの点検に使ってほしいということだ。理由は単純で、水まわりの不具合や傷、汚れは「入居前からあったもの」なのか「入居後にできたもの」なのかで、退去時の費用負担がまったく変わるからだ。国土交通省のガイドラインでは経年劣化や通常損耗は借主負担にならないとされているが、それを主張できるのは入居時の状態を証明できたときだけだ。証明できなければ、実際には前の入居者の使用によるものでも、あなたの負担にされてしまうケースがある。
賃貸の水漏れトラブルは、誰の負担になるかで揉めることが非常に多い。賃貸の水漏れは誰の負担になるかを先に知っておくと、当日どこを重点的に見るべきか判断がしやすくなる。この記事ではその判断材料を、水まわり7か所に絞って具体的に説明する。
なぜ「入居初日」が勝負なのか
入居して1週間、1ヶ月経ってから水まわりの不具合に気づく人は多い。だがその時点で管理会社に連絡しても、返ってくる答えは大抵決まっている。「入居後に発生したものと思われるので、費用はご負担いただきます」。これは意地悪でも何でもなく、入居時の記録がなければ管理会社側も判断のしようがないという構造上の問題だ。
特にトイレのタンク裏の結露跡、洗面台下の配管の緩み、キッチンシンク下のパッキン劣化による滲みは、初日には静かで気づきにくく、1週間から1ヶ月使い続けた頃に表面化することが多い。つまり「いつから」の証明が最も難しい箇所ほど、入居初日のうちに手を打っておく価値がある。
もう一つの理由は、荷物搬入後だと点検自体が物理的に困難になることだ。洗面台の下に収納棚を置いてしまえば、その日のうちに配管を目視するのは面倒になる。洗濯機を設置してしまえば、防水パンの排水口の状態は洗濯機を動かさない限り見えない。だから「初日、荷物搬入前」という条件が、記録の質を大きく左右する。
実際にLifecare24へ寄せられる相談でも、入居から2〜3ヶ月後の「これって前からですよね」という水漏れ相談は、初日の写真がないために原因の切り分けに時間がかかることが多い。逆に写真が残っている場合は、現地で状況を見た瞬間に「これは配管の経年劣化なので大家さん負担の可能性が高い」と即答できることもある。
初日に見る7か所の全体像
結論から言う。入居初日に見るべき水まわりは次の7か所だ。
- 1. キッチンのシンク下収納と水栓まわり
- 2. トイレのタンク・床・給水管の接続部
- 3. 浴室のシャワー水圧と排水口、パッキンのカビ
- 4. 洗面台の下と鏡裏の収納
- 5. 洗濯機置き場の防水パンと排水口
- 6. ベランダの排水口と雨どいの接続部
- 7. 玄関前または共用部の水道メーターと止水栓
この7か所に共通するのは、「水が漏れたら被害が大きくなる場所」であり、かつ「普段の生活で見落とされがちな場所」であるという点だ。リビングの壁のキズなら誰でも気づくが、シンク下の配管の滲みや、洗濯機の下の防水パンのひび割れは、意識して見ない限り気づかない。
点検の基本動作は共通している。まず水を出す前の状態を写真に撮る。次に実際に水を出し、しばらく流した状態でもう一度撮る。乾いた状態と濡らした状態の両方を記録することで、既存の傷なのか、新たに発生した滲みなのかを後から見分けやすくなる。スマートフォンのカメラで十分だが、日付が自動で記録される設定にしておくこと、そして可能であれば動画で「蛇口をひねって水が出るまで」を撮っておくと、水圧や排水の勢いまで記録に残せる。
キッチン:シンク下収納と水栓の初期チェック
キッチンは最も配管トラブルが起きやすい場所の一つだ。理由は、シンク下に多くの配管の接続部が集中しているうえ、収納として物を詰め込みがちで日常的に目視されないからだ。
まずシンク下の扉を開け、配管の根元、排水トラップの接続部、給水ホースの接続部に水滴や変色がないか確認する。新品の物件でなければ、パッキンの経年劣化によって薄っすら滲んだ跡が残っていることがある。この跡があるかないかを入居初日に写真で記録しておくと、あとで「いつからこの跡があったか」の争いを避けられる。
次に水栓本体を動かす。レバーを上げ下げしたときの固さ、ハンドルの根元からの水漏れ、シャワー切替がある場合は切替時の異音を確認する。混合水栓の根元がグラついている場合、パッキンの劣化かナットの緩みが原因のことが多く、放置すると床下への漏水につながる。水栓の交換や修理費用の目安を知っておくと、入居後に交換が必要になった際の判断材料になる。蛇口交換の費用相場と選び方を事前に見ておくと、管理会社に「これは交換が必要です」と伝えるときの根拠になる。
食洗機が備え付けの物件では、給水・排水ホースの接続部からの水漏れも初日にチェックしておきたい箇所だ。食洗機からの水漏れの原因は接続不良が多く、入居時点で緩んでいることもある。動かす前に一度確認しておくと安心だ。
トイレ:タンク・床・給水管の3点セット
トイレは水まわりの中でも特に「気づいたときには手遅れ」になりやすい場所だ。タンクの裏側は普段見ない場所であり、床との接地面も便器に隠れて確認しづらい。
初日にまず行うべきは、便器の根元、床との接地部分を四方から目視することだ。黒ずみやコーキングの剥がれ、床材の変色がある場合は、過去に水漏れがあった可能性が高い。これは入居前から存在していた問題であることが多く、写真を撮っておかないと入居後の使用によるものと誤解されかねない。
次にタンクの蓋を開け、内部の部品、特にフロートバルブとボールタップの状態を確認する。ゴムパッキンが硬化していたり、タンク内の水位が異常に高い・低い場合は、遠くない将来に不具合が出る兆候だ。給水管との接続部にあるナットの緩みも合わせて見ておく。実際に水を流し、タンクへの給水音に異常がないかも確認しておきたい。給湯器ほどではないが、トイレの給水音が異常に大きい場合は内部部品の劣化が進んでいるサインになる。
便器のガタつきも見落としやすいポイントだ。座ったときに便器全体が揺れる場合、床への固定ボルトが緩んでいるか、床材自体が水を含んで劣化している可能性がある。トイレのガタつきの原因を先に把握しておくと、入居初日にこの症状に気づいたとき、すぐに管理会社へ報告すべき重大な兆候だと判断できる。
最後に、便器やタンクからの水漏れそのものについても、初日に一度は水を流して確認しておくべきだ。トイレの水漏れの原因と見分け方を参考に、床への水滴、タンクからの音、便器内の水位変化をチェックしておくと、入居後1週間以内に発覚するトラブルの多くを未然に見つけられる。
浴室:シャワー水圧とパッキンのカビ跡
浴室は「使ってみないと分からない」不具合が多い場所だ。水圧、排水の速さ、換気扇の効き、これらは実際にシャワーを出してみないと判断できない。
入居初日、荷物を入れる前にシャワーを実際に出してみることを強くすすめる。水圧が明らかに弱い、温度が安定しない、シャワーヘッドから水が漏れる、これらは初日に確認しておかないと「自分の使い方が悪いのか」「設備の問題なのか」の切り分けが難しくなる。特にマンションやアパートの上層階では水圧が構造的に弱いことがあり、これは設備トラブルではなく建物の給水方式による場合もある。シャワーの水圧が弱い原因を確認し、初日の水圧を基準値として記憶しておくと、後日「急に弱くなった」と感じたときの判断材料になる。
排水口については、髪の毛除去用のカバーを外し、排水の流れる速さを確認する。水を張ってから栓を抜き、排水にかかる時間を測っておくのも良い方法だ。極端に排水が遅い場合、入居前から配管に詰まりがあった可能性がある。この状態を入居初日に記録しておけば、数週間後に完全に詰まったとしても「入居前からの兆候だった」と主張できる。
パッキンやコーキング部分の黒カビも重要なチェックポイントだ。入居前のクリーニングで見た目はきれいでも、コーキングの奥に根を張ったカビは短期間では除去しきれないことが多い。初日の時点で黒ずみがある部分を写真に撮っておけば、退去時に「あなたが使っている間にカビが発生した」と一方的に判断されることを防げる。
洗面台:下の収納と排水トラップ
洗面台は見た目がきれいでも、下の収納を開けると配管がむき出しになっている物件が多い。ここもキッチン同様、排水トラップの接続部や給水管の根元を重点的に見る場所だ。
洗面台下の収納を開けたら、まず臭いを確認する。排水トラップの封水が切れていると下水の臭いが上がってくることがあり、これはにおいの原因と共通する構造的な問題だ。トイレに限らず、洗面台やキッチンでも排水トラップの封水切れは臭いの原因になる。入居直後で誰も使っていない期間が長かった物件では、この封水切れが起きていることがあり、水を流せば解消するケースがほとんどだが、繰り返し臭う場合は排水管自体の問題も疑う必要がある。
次に排水トラップの接続部にあるナットの緩みと、パイプの変色を確認する。プラスチック製の排水パイプは経年で白く粉を吹いたようになったり、ひび割れが入ったりすることがある。これは自然劣化であり、借主の使用が原因ではないため、入居時の状態を写真で残しておくことが重要だ。
鏡裏の収納がある場合は、水栓の根元からの水滴の有無、収納内の湿気やカビの有無も確認する。洗面台の水栓は毎日使う場所であり、ハンドルの動きが硬い、水を止めてもポタポタと滴が続くといった症状は、初日のうちに気づいておきたい。こうした小さな不具合の放置は、後々の高額な修理につながる。
洗濯機置き場:防水パンと排水口の見落とし
洗濯機置き場は、多くの人が「洗濯機を設置して終わり」にしてしまう場所だ。だが防水パンのひび割れや排水口の詰まりは、洗濯機を設置してしまうと確認が極めて困難になる。だからこそ、洗濯機を置く前のこのタイミングが唯一のチェックチャンスになる。
まず防水パン全体を目視し、ひび割れ、変色、パンの縁の欠けがないか確認する。防水パンは万が一の水漏れを受け止める最後の砦であり、ここが破損していると洗濯機からの水漏れが階下や隣室への被害に直結する。特に賃貸マンションでは、階下への漏水事故は損害賠償に発展することもあるため、入居時点での防水パンの状態記録は非常に重要だ。マンションの水漏れ対応で解説している通り、集合住宅での漏水は対応スピードと初期記録が被害の大きさを左右する。
排水口については、トラップの蓋を外し、内部に髪の毛やゴミが溜まっていないか確認する。新築や高頻度リフォーム済みの物件でなければ、排水口の奥に前の入居者の使用痕が残っていることも珍しくない。水を流して排水速度を確認し、極端に遅い場合は入居前から配管に問題がある可能性を疑う。洗濯機を設置してから排水エラーや逆流が起きると、原因の切り分けに時間がかかるため、設置前の一度の確認が後の手間を大きく減らす。
給水栓についても、蛇口を開閉してみて水漏れがないか、ホースの接続口にひび割れがないかを確認しておく。洗濯機用の水栓は普段閉めっぱなしで放置されていることが多く、経年劣化に気づきにくい部分だ。
ベランダ・玄関前:見落とされがちな屋外系統
室内の水まわりに気を取られがちだが、屋外の排水系統も入居初日に確認しておくべき重要な箇所だ。特にベランダの排水口は、集合住宅で最も見落とされやすい場所の一つと言っていい。
ベランダに出たら、排水口周辺に落ち葉やゴミが詰まっていないか、排水溝の蓋が正しくはまっているかを確認する。雨どいとベランダ排水の仕組みを理解しておくと、大雨のときに水が溢れる原因が自分の使い方の問題なのか、建物構造の問題なのかを判断しやすくなる。特に前の入居者が排水口を放置していた場合、入居時点ですでに詰まりかけていることがあり、最初の大雨で床に水が浸入するというトラブルに発展しかねない。
エアコンの室外機がベランダに設置されている場合、ドレンホースの先端の状態も確認しておく。ホースが潰れていたり、先端が排水口の中に直接突っ込まれていたりすると、逆流や排水不良の原因になる。これも入居初日に直しておけば防げるトラブルだ。
玄関前や共用部にある水道メーターボックスも確認しておきたい。ここには止水栓があり、万が一室内で水漏れが起きたときに水を止める最後の手段になる。元栓・止水栓の場所を入居初日のうちに確認し、実際にレバーやハンドルの位置を写真に撮っておくと、緊急時に慌てず対処できる。メーターの数値そのものも初日に記録しておくと、水道料金に関する疑問が生じたときの基準値になる。水道料金の相場と照らし合わせておけば、入居直後の使用量が異常かどうかも判断しやすい。
記録の残し方:写真・動画・日時の3点セット
ここまで7か所の確認ポイントを説明してきたが、見ただけでは意味がない。「記録」として形に残してこそ、後日のトラブルに対抗できる証拠になる。
基本の記録方法は次の3つを組み合わせることだ。まず写真。各箇所につき、全体が分かる引きの写真と、傷や汚れがある場合はその部分のアップ写真の両方を撮る。次に動画。水を出す・流す・止めるという一連の動作を10秒から30秒程度撮影しておくと、水圧や排水音、異音の有無まで記録できる。写真だけでは伝わらない情報が動画には残る。最後に日時。スマートフォンの写真は撮影日時が自動記録されるため、設定を確認しておく。手動でカレンダーアプリやメモアプリに「〇月〇日、入居日、水まわり点検実施」と一行書いておくだけでも、後日の証拠として機能する。
撮った写真や動画は、その日のうちにクラウドストレージやメールに送信してバックアップしておくことをすすめる。スマートフォン本体だけに保存していると、機種変更や故障で失われるリスクがある。管理会社に報告する際にも、メールに添付して送っておけば、送信日時そのものが「入居時の状態を申告した記録」として残る。
記録の粒度としては、7か所それぞれについて最低3枚、多い場合は5枚から10枚程度の写真を残すイメージだ。「多すぎるかもしれない」と思うくらいがちょうど良い。トラブルが起きなければ見返すことのないデータだが、起きたときには何よりも強い味方になる。
管理会社への報告テンプレートと伝え方
記録を残しただけでは不十分で、気になる箇所は入居当日か遅くとも翌営業日までに管理会社へ報告する必要がある。ここでのポイントは「相談」ではなく「報告」として伝えることだ。
報告の際は、次の要素を含めるとスムーズに伝わる。1つ目は箇所と症状。「洗面台下の排水パイプ接続部に変色による滲み跡があります」のように具体的に書く。2つ目は日時。「〇月〇日、入居日の時点で確認しました」と明記する。3つ目は写真の添付。先ほど記録した写真をそのまま添付する。4つ目は要望。「これは入居前からのものと考えられるため、記録として残しておきたく、ご確認いただけますでしょうか」といった形で、責任の所在を決めつけずに事実確認を求める形にする。
この段階で強く指摘したり、修理を要求したりする必要はない。目的は「証拠として認識を共有すること」であり、対立を生むことではない。管理会社側も、入居時の状態を把握しておきたいという要望には基本的に協力的に対応する。むしろこの報告を怠ると、数ヶ月後に管理会社側から「入居後の使用による損耗」と判断される可能性が高まる。
メールやチャットツールでのやり取りが残る形で報告することも重要だ。電話だけで済ませると、後で「言った言わない」の水掛け論になりかねない。電話をした場合でも、その後に内容をまとめたメールを送っておくと、記録として機能する。
賃貸で「もともと壊れていた」を証明する具体的な方法
入居時の記録があっても、それだけで自動的に負担を免れるわけではない。証明の質を高めるためのコツがいくつかある。
まず、写真には必ず「スケール感」を入れる。傷や汚れの大きさが分かるように、硬貨や定規を隣に置いて撮影すると、後日「そんなに大きな傷ではなかったはず」といった水掛け論を避けられる。次に、可能であれば入居時の立会いに管理会社や大家の担当者を同席させ、その場で一緒に確認してもらうことだ。担当者の目の前で「ここに傷がありますね」と口頭で確認を取り、それを議事録のような形でメールにまとめて送っておけば、証拠としての力は格段に強くなる。
また、入居時に受け取る「重要事項説明書」や「賃貸借契約書」に添付されている物件状況確認書、通称「入退去時チェックシート」の内容と、自分で撮った写真を突き合わせておくことも重要だ。多くの管理会社はこのチェックシートを用意しているが、記載が簡素すぎて実態を反映していないことがある。シートに書かれていない不具合を見つけた場合は、追記を依頼するか、少なくとも別途メールで補足報告をしておく。
排水管のつまりや逆流のように、見た目では分かりにくい不具合の場合は、初日に一度水を流してみて様子を確認する以外に方法がない。排水管つまりの原因や逆流防止弁の仕組みを知っておくと、初日に感じた「なんとなく流れが悪い」という違和感が、後日の重大な詰まりの前兆だったと気づきやすくなる。違和感を覚えた時点で管理会社に一言伝えておくだけで、証拠としての価値は大きく変わる。
費用負担の分かれ目:経年劣化か使用過失か
水まわりのトラブルが起きたとき、費用を誰が負担するかは「経年劣化・自然損耗」か「借主の使用過失」かで大きく分かれる。この線引きを理解しておくと、入居初日の点検で何を重視すべきかがより明確になる。
経年劣化・自然損耗にあたる典型例は、パッキンのゴム部分の硬化によるひび割れ、排水パイプの経年による変色や微細なひび、水栓内部の部品摩耗による水漏れなどだ。これらは通常の使用の範囲で自然に進行するものであり、国土交通省のガイドラインでも貸主負担とされる傾向が強い。一方、借主の使用過失にあたる典型例は、排水口に大量の油や食材カスを流し込んだことによる詰まり、無理な力でハンドルを操作したことによる破損、換気を怠ったことによる過度なカビの発生などだ。これらは借主の行動が直接の原因であるため、借主負担になりやすい。
問題は、この2つの境界線上にあるケースが非常に多いことだ。例えば「排水の流れが悪くなった」という症状は、経年劣化による配管の狭窄が原因のこともあれば、借主の使用による蓄積汚れが原因のこともある。この境界線上のケースで有利に立つためには、入居時点での状態記録が決定的な意味を持つ。入居初日に「排水にやや時間がかかる」という状態を記録しておけば、数ヶ月後に完全に詰まったとしても、それは「入居前から進行していた経年劣化の延長線上にある症状」として主張できる。
逆に記録がなければ、管理会社や大家は「入居後の使用によって悪化した」と判断せざるを得ない。悪意があるわけではなく、判断材料が入居後の状況しかないからだ。あなたを守るのは、あなた自身が入居初日に残した記録だけだと考えておいた方がいい。
費用の目安と、自分で判断できないときの動き方
入居初日に発見した不具合について、自分で応急処置をすべきか、そのまま管理会社に報告して指示を待つべきかで迷うことがある。判断の基準は明確で、「原状回復に関わる可能性がある不具合は、自分で手を加えず、写真だけ撮って報告する」ことだ。
特にパッキン交換や排水管の分解、水栓の取り外しといった作業を自己判断で行ってしまうと、後から「借主が手を加えたことで悪化した」と判断される余地を与えてしまう。凍結による給水管の破損など、緊急性が高い場合は話が別だが、水道管凍結のトラブルのように緊急対応が必要なケースを除き、初日に見つけた軽微な不具合は基本的に「触らず、記録して、報告する」が正解だ。
それでも「これは自分で直した方が早いのでは」と思う場面は出てくる。判断に迷ったときは、Lifecare24に電話一本で相談してほしい。出張見積は0円で、現地を見た上で総額を提示し、追加請求は一切ない。入居前の状態か入居後の劣化かの切り分けについても、現場を見れば経験上ある程度の判断ができる。以下は水まわりトラブルの代表的な修理費用の目安だ。実際の金額は建物の構造や部品の状態によって変わるため、必ず現地で総額を確認してから作業を依頼してほしい。
| 症状 | 費用目安 |
|---|---|
| 水栓(蛇口)のパッキン交換 | 8,000円〜15,000円 |
| トイレのタンク内部部品交換 | 10,000円〜20,000円 |
| 排水管の簡易つまり除去 | 8,000円〜18,000円 |
| 洗面台下の排水トラップ交換 | 12,000円〜25,000円 |
| 混合水栓の本体交換 | 20,000円〜40,000円 |
この金額はあくまで一般的な目安であり、賃貸の場合は本来大家や管理会社の負担になるケースも多い。自己判断で業者に依頼して支払ってしまう前に、まず管理会社に連絡し、負担者を確認することが先決だ。判断に迷う段階でLifecare24(050-1725-0822)に相談してもらえれば、現地確認のうえで負担区分の見立ても含めてアドバイスできる。
混合水栓・給湯器まわりも初日にチェックしておく理由
ここまで挙げた7か所に加えて、余裕があれば確認しておきたいのが混合水栓の切り替えレバーと給湯器の作動音だ。特に築年数がある物件では、これらの経年劣化が入居後早い段階で表面化することがある。
混合水栓の場合、シャワーと蛇口の切り替えがスムーズに動くか、切り替え後に水漏れが起きないかを確認する。切り替え部分の劣化は、水栓交換の中でも比較的多い故障パターンだ。混合水栓の切り替え不良を先に読んでおくと、初日に感じた「切り替えが硬い」という違和感が、放置すればどう進行するかのイメージが掴める。
給湯器については、お湯を出した瞬間の作動音、点火までの時間、異常な振動音がないかを確認する。給湯器の異音の原因で解説している通り、給湯器の異音は経年劣化のサインであることが多く、入居直後に気づいておけば「前から鳴っていた」と主張できる。給湯器は交換費用が高額になりやすい設備であり、負担区分をめぐるトラブルも起きやすい。だからこそ、入居初日にお湯を出してみるという一手間が、後々の大きな出費を避ける鍵になる。
これらは7か所のチェックリストには含めていないが、余裕があれば10分程度で確認できる項目だ。特に築10年以上の物件に入居する場合は、水まわり本体だけでなく、水を「出す」「温める」設備の初期状態も合わせて記録しておくことをすすめる。
それでも入居後にトラブルが出たときの初動
どれだけ丁寧に点検しても、入居後しばらくしてから水まわりのトラブルが発生することはある。配管の内部で進行していた劣化が、使用開始によって表面化するケースは実際に多い。そうなったとき、初日の記録があるかないかで、その後の対応の速さとストレスの度合いがまったく変わる。
まず落ち着いて、初日に撮った写真や動画と現在の状態を見比べる。変化があれば、その差分を新たに撮影し、管理会社へ「入居時と比較してこのような変化が見られます」と報告する。この一言があるだけで、管理会社側の初動も大きく変わる。単に「水漏れしています」と言うより、「入居時にはなかった滲みが3週間後に出てきました」と伝える方が、緊急性と経緯の両方が伝わる。
水が実際に漏れ出している、床に水たまりができているといった緊急性の高い状況では、報告と並行してすぐに止水栓を閉め、被害の拡大を防ぐことが優先だ。入居初日に確認しておいた止水栓の場所が、ここで生きてくる。管理会社への連絡がつかない深夜や休日でも、水を止めるだけなら自分でできる。そのうえで、Lifecare24のような水道局指定の修理業者に連絡し、応急処置を依頼する流れが最も被害を小さくできる。
愛知・岐阜・三重エリアであれば、Lifecare24が現地に駆けつけ、状況を見た上で総額を提示する。追加請求は発生しない。管理会社への報告用に、現場の状態を写真付きで記録した報告書を残すことも可能だ。この記録は、あなたが管理会社や大家との交渉で使える客観的な資料になる。入居初日の記録と、トラブル発生時のプロによる記録、この2つが揃えば、負担区分をめぐる争いはほぼ起きない。
迷ったら、記録してから連絡する
入居初日にやるべきことは、突き詰めれば「見る」「撮る」「送る」の3つだけだ。7か所を見て、写真と動画に残し、気になる点は管理会社にメールで送る。これだけで、数ヶ月後、あるいは退去時に起きるかもしれない負担トラブルの大半を防げる。
荷物の搬入で忙しい中の30分は惜しく感じるかもしれない。だがその30分を惜しんだ結果、退去時に数万円の原状回復費を余分に払うことになった人を、これまで何人も見てきた。逆にその30分をかけた人は、トラブルが起きても迷わず「これは入居時からです」と言い切れる。
もし今日、点検の途中で自分では判断がつかない不具合を見つけたら、無理に触らず、写真を撮って、Lifecare24(050-1725-0822)に相談してほしい。出張見積は0円、現地で総額を提示し、追加請求は一切ない。あなたの新生活の最初の一歩を、余計なトラブルで曇らせる必要はない。
記録は、あなたを守る唯一の証拠になる。


