シンクの水が流れない、ゴボゴボ鳴る、嫌なニオイがする。キッチンのつまりの原因は、ほとんどが油と食材カスの蓄積だ。ここでは、自分で試して直る範囲と、それ以上やると悪化する境目を、現場の感覚で分けて話す。
・原因の大半は配管内に固まった油汚れ・お湯(熱湯はNG)とラバーカップで軽度は直る・市販品で直らない・逆流するなら業者へ
キッチンが詰まる原因
キッチンの排水は、油・食材カス・洗剤カスが少しずつ配管の内側に付いて、層になって狭くなっていく。ある日いきなり詰まったように見えて、実は何ヶ月もかけて溜まっている。ぬめり(バイオフィルム)も流れを悪くする。だから、表面をなでる掃除では戻ってしまうことが多い。
とくにキッチンで厄介なのが油だ。液体で流したつもりでも、配管の中で冷えて固まり、そこに食材カスが絡んで固い塊に育つ。揚げ物や炒め物の油、ドレッシング、乳製品——これらを日常的に流していると、確実に溜まっていく。原因が「油の固着」なら、水を流す程度では動かない。ここを分かっておくと、次の対処の意味が見えてくる。
設備によって詰まりやすい場所も違う。ディスポーザー付きのシンクは、砕いた生ゴミが配管内でヘドロ化しやすい。ワントラップ(お椀型のトラップ)のシンク下は、そこに汚れが溜まって流れを止めることが多い。まず「どこに溜まりやすいか」を知っておくと、外して洗うべき場所の見当がつく。
どこで詰まっているか(症状の見分け)
同じ「流れない」でも、詰まっている場所で対処が変わる。まず自分の症状を見てほしい。
- ゆっくりだが流れる・ゴボゴボ鳴る:詰まりかけの初期。排水口〜トラップの手前に汚れが溜まってきたサイン。まだ自分で対処できる段階。
- まったく流れず、水が溜まったまま:トラップか、その先の配管で塞がっている。ラバーカップやトラップ清掃で動くこともある。
- シンク下の床が濡れている:詰まりではなく水漏れ。トラップの接続部の緩みやパッキン劣化が疑わしい。触って直らなければ相談を。
- 他の排水(洗面・風呂)も同時におかしい:個別の詰まりではなく、排水管本体が塞がっているサイン。自分での対処は難しい。

自分で試せること(順番)
軽度なら、この順で試す。上から順に、効かなければ次へ。
- 45〜50度くらいのお湯を流す。固まった油をゆるめる。バケツ1杯ぶんを2〜3回に分けて。ただし熱湯は使わない——塩ビの配管は高温で変形・破損することがある。お湯は50度まで。
- 市販のパイプクリーナーを、規定量・規定時間で使う。入れすぎても効果は上がらない。使ったら規定時間おいて、たっぷりの水で流す。
- ラバーカップを排水口に密着させる。水が少し溜まった状態のほうが圧がかかる。ゆっくり押し込んで、勢いよく引く。動くのは「引く」ときだ。何度か繰り返す。二層式シンクなど排水口が2つある場合は、片方をふさぐと圧が逃げない。
- それでもダメなら、排水トラップ(シンク下のワントラップ)を外して洗う。作業前にシンク下の物をどかし、床が濡れてもいいように新聞紙やタオルを敷く。バケツを下に置き、手で回して外す。中にはヘドロ状の汚れが溜まっていることが多い。歯ブラシなどでこすり洗いし、パッキンの位置を確認して元通りに締める。締めが緩いと水漏れ、締めすぎるとパッキンを傷めるので、手で止まるところから軽く増し締めする程度でいい。戻したら、水を流して漏れがないか必ず確かめる。
この4ステップで、家庭のキッチンつまりの多くは動く。ただし、外したトラップの先(壁や床に入っていく配管)で詰まっている場合は、ここから先が自分の手の届かない領域だ。トラップまで洗っても流れないなら、無理をしないでほしい。
やってはいけないこと(失敗例)
- 熱湯をそのまま流す:塩ビ配管を傷める・変形させる。お湯は50度まで。
- ワイヤーや棒を無理に突っ込む:配管を傷つけたり、汚れを奥で固めて詰まりを悪化させる。
- 薬剤を何種類も混ぜる:塩素系と酸性を混ぜると危険なガスが出る。1種類を規定どおりに。
- ディスポーザーに固いもの・繊維質を入れる:貝殻・鶏の骨・とうもろこしの皮などは故障や詰まりの原因。
- トラップを外したまま締め忘れる:シンク下が水浸しになる。外したら必ず元通りに締める。
「効かないから、もっと強く」——これがいちばん悪化させる。直らないなら、力を足すより手を止める。
道具別の効かせ方(ラバーカップ・真空パイプクリーナー・ワイヤー)
同じ道具でも、使い方一つで効き目が変わる。手元にあるもので、正しく効かせるコツを押さえておこう。
- ラバーカップ(吸引カップ):シンク用は平らな面のもの。排水口に水が少し溜まった状態でカップをかぶせ、ゴムの縁を密着させる。ゆっくり押し込んでから一気に引く。押すときに詰まりを奥へ送るのではなく、引く陰圧で手前に動かすのが狙いだ。二層シンクは片方の排水口をふきんなどでふさぐと、圧が逃げずに効く。
- 真空式パイプクリーナー:ハンドルを引く力でラバーカップより強い陰圧をかけられる道具。頑固なつまりに有効なことがある。密着と、片方の排水口をふさぐのは同じ。
- ワイヤー(排水管用トーラー):市販のワイヤーは、届く範囲で汚れをかき出す道具。ただし力任せに押し込むと配管を傷めたり、汚れを奥で固める。軽く回しながら、無理なく入る範囲まで。抵抗が強いところを突破しようと力を込めるのは禁物だ。
どの道具も、「効かないから、もっと強く」で悪化させることが多い。数回試して動かないなら、そこで手を止めるのが正解だ。
業者を呼んだほうがいい目安と判断表
次のどれかなら、配管の奥が原因の可能性が高い。自分でやるより、専用機材で抜いたほうが早くて結局安い。
- 市販品もラバーカップもトラップ清掃も試したが直らない。
- 何度も詰まりを繰り返す(配管内に汚れが層で残っている)。
- 水が逆流してくる、シンク下から水漏れしている。
- キッチンだけでなく他の排水も同時に流れが悪い(排水管本体のサイン)。
| 状態 | まず自分で | 業者を呼ぶ目安 |
|---|---|---|
| ゆっくり流れる・ゴボゴボ | お湯・パイプクリーナー | 数日で繰り返すなら |
| 完全に流れない | ラバーカップ・トラップ清掃 | 試しても動かないなら |
| 逆流・複数箇所が同時 | —(触らない) | すぐ相談(配管本体) |
| シンク下から水漏れ | 接続の増し締めまで | 止まらなければ相談 |
費用の目安
排水口・排水管のつまり除去は、おおよそ¥8,000〜。汚れが層状に固着して繰り返す重度のケースでは、高圧洗浄で根本から洗う¥18,000〜が目安だ(いずれも税込・出張見積0円)。一般的な相場でも、つまりの除去は4,000〜8,000円あたりが目安になる。シンク下の水漏れ修理はおおよそ¥5,500〜。当社は水道局指定工事店として、作業前に必ず金額を提示し、深夜・早朝の割増も追加請求もありません。費用の全体像は水道修理の料金相場まとめもあわせてどうぞ。

賃貸・マンションで詰まったときの進め方
持ち家か、賃貸・分譲マンションかで、動き方が少し変わる。
- 賃貸:自分で業者を呼ぶ前に、まず管理会社・大家さんへ連絡するのが基本だ。経年劣化が原因なら貸主負担、使い方の過失なら借主負担、と分かれることがある。勝手に高い業者を手配すると、あとで費用を巡ってもめることもある。連絡の順番を守るのが結局トク。
- 分譲マンション:自分の部屋の中(専有部)の詰まりは自己負担だが、建物共有の排水管(縦管など=共用部)が原因なら、管理組合・管理会社の範囲になることが多い。複数の部屋にまたがるような症状は、まず管理会社へ。
- 切り分けが要る場合:専有部か共用部かは、現場で見て判断できることが多い。当社でも切り分けのご相談に応じます。
詰まりを防ぐには
キッチンのつまりは、日々のひと手間でかなり防げる。
- 油を流さない:これが最大の予防。使った油や、皿に残った油汚れは、拭き取ってから洗う。
- ゴミ受け・ストレーナーをこまめに洗う:入口で食材カスを止める。
- 月に一度、お湯(50度まで)とパイプクリーナーで通す:固まりかけの油をリセットする。
- 三角コーナーの水気を切ってから捨てる:細かいカスを排水口に落とさない。
- 油の多い料理のあとは、最後に50度までのお湯を流す:その日のうちに固まる前に押し流す。
- ネット・水切り袋を使う:ゴミ受けのカスを、こまめにまとめて捨てられる。
とくに油を流さないことが、キッチンの詰まりを防ぐ最大のポイント。ここを徹底するだけで、呼ぶ回数がぐっと減る。
よくある質問
Q. お湯を流したら少し流れました。もう大丈夫?
一時的にゆるんだだけで、油の層は配管に残っています。数日でまた重くなるようなら、根本の蓄積を疑ってください。繰り返すなら一度しっかり洗浄したほうが結局は安く済みます。
Q. ラバーカップがない。ペットボトルで代用できますか?
密着しないため、圧がうまくかかりません。100円ショップでも洋式・シンク用のラバーカップは手に入るので、正しい道具を使ったほうが確実です。
Q. 重曹とお酢で直りますか?
軽いぬめりや臭いには効きますが、固着した油のつまりを貫通させる力はありません。予防・軽い臭い対策向けと考えてください。ニオイが主な悩みならキッチンの排水口が臭う原因と対策を。
Q. マンションで、上の階から流れてくる音がします。
共用の排水管(縦管)が原因の可能性があります。専有部か共用部かで負担が変わるので、まず管理会社へ連絡してください。
Q. 夜、急に流れなくなりました。朝まで待てますか?
水が溜まったまま無理に使うとあふれるので、それ以上流さないのが基本です。翌朝でも構いませんが、当社は24時間受付なので、困ったらそのままお電話でも対応できます。
Q. 直したあと、すぐまた流れが悪くなりました。
手前を一時的に動かせても、奥の油の層が残っていると数日で戻ります。繰り返すなら、配管内をまとめて洗う高圧洗浄で根本から。表面対処を繰り返すより結局は安く済みます。
まとめ|直る範囲と、触ると悪化する境目
キッチンのつまりの原因は、ほとんどが油と食材カスの蓄積だ。軽度なら、①50度までのお湯、②パイプクリーナー、③ラバーカップ、④トラップ清掃、の順で自分でも直せる。数回試して動くなら、そのまま様子を見ていい。だが、逆流している・複数箇所が同時におかしい・繰り返す——このどれかに当てはまるなら、配管の奥が原因で、素人が力技を足すほど悪化する。そこが「触ると悪化する境目」だ。熱湯を流す、ワイヤーを力任せに突っ込む、薬剤を混ぜる、といった無理は、直らないうえに配管を傷めて修理範囲を広げる。効かないときは、力を足すより手を止めるのが、結局いちばん安い。
手に負えないと感じたら、キッチン・排水口のつまり修理までご相談を。繰り返す詰まりなら排水管の高圧洗浄で再発の間隔を大きく延ばせます。



